経営コンサルタントの仕事|事業計画の策定|売上高

コンサルの現場から

こんにちは、ヒロキです。
今回は成行損益の計算のうち、売上高の考え方をご紹介します。
売上高は会社の全ての数字を決める最も重要な部分です。長くなりますがよろしくお願いします。

用意する情報

■ 市場規模予測
■ 対象会社が作成した事業計画などの損益予測資料
■ 過年度の損益管理資料

市場規模予測については、外部環境分析で調査が済んでいますので詳細はそちらをご覧ください。

対象会社が作成した損益予測資料は、成行損益を作成した後に数字の違いを検証するために使用します。
計算の前提条件が異なる場合、こちらが作成した数字と対象会社が作成した数字に差異が出ますが、この差異の原因を把握して、その原因が本当に前提条件の違いによるものなのか、計算ミスによるものなのか検証します。詳細は「数字の検証」の項目でご説明します。

過年度の損益管理資料については、会社自身の将来トレンドを把握するために使用します。概要は成行損益概要#2をご覧ください。

過年度損益の把握

ある業界の例を使ってご説明します。

■ 基本情報
・製本出版業
・主な顧客は若年層
・業界全体が業績低迷しており、改善策を模索中

■ 業績推移

2019/3期の売上高はいくらになりますか?6,000百万円前後でしょうか?それとも2016/3期のように9,000百万円の水準まで増加するでしょうか?

このように一定の水準で売上が推移しない場合は、主に以下の要因が考えられます。

・トレンドの異なる2以上の事業を行なっている
・一過性の売上が含まれている

要因がはっきりするまで売上高を分解して中身を見ていきます。

主に3つの事業を営んでいることがわかりました。
・一般書籍事業は毎年少しずつ(約1%〜2%)売上高が減少
・教育書籍事業は数年に1回売上高が大きく増加
・その他事業の売上高は毎年一定か増加傾向

ここで、上の基本情報に主な顧客は若年層とあるので、一般書籍事業は若年層の人口減少とともに売上高が減少していると仮定します。これを前提とすると2019/3期の売上高は4,600百万円弱となりそうです。

教育書籍事業は何か理由がありそうです。売上高を数量と単価に分解してみます。
また、対象会社へ質問します。

その他事業は、そもそも何をしているのでしょうか?事業内容がわかりませんので対象会社へ質問をします。

売上数量を見たところ、
・一般書籍事業は毎期1%減少
・教育書籍事業は2012/3期と2016/3期の売上数量が大幅に増加する

売上単価を見たところ、
・一般書籍事業の単価はおよそ825円〜830円で推移
・教育書籍事業はおよそ2,000円〜2,100円で推移し、増加傾向
・その他事業は単価が安定していない

質問の結果、以下のことがわかりました。
・一般書籍事業は若年層がターゲットであり、若年層の人口は全年齢層と比べて減少割合が大きく、年間1%強のペースで減少している

・教育書籍事業の商品は、小学生や中学生向けの教科書補助書籍や参考書、計算ドリルなどである。教科書が4年に1回改訂されて内容が新しくなるので、新しくなったタイミングで教材の買い替え需要がある。そのため4年に1回売上高が大きく増加する

・その他事業は、期間限定の特別プロジェクトの売上である。海外での教育カリキュラム策定や大学入試の問題作成を単発で請け負っているとのこと。その内容によって単価が大きく異なる

・全体的に、紙代が大きく変わらない限り書籍の単価は変動しにくい。単価は一定と考えてよい

過年度損益分析のまとめ

一般書籍事業
数量を外部環境に合わせて昨対1%強の減少で2019/3期以降を作成
単価は直近の2018/3期のものを採用

教育書籍事業
数量をターゲットの人口に合わせて年間1%強の減少で計算する。ただし、改訂期とそれ以外に分けて以下のように計算。

・改訂期
次の改訂期である2020/3期の数量を2016/3期の数量から4年分の減少を織り込む。つまり、4年×1%強の減少とする。

・改訂期以外
前年の1%強の減少とする。前年が改訂期の場合は2年×1%強の減少とする。

単価は直近の2018/3期のものを採用

その他事業
現在受注が決まっているプロジェクトのみを反映させる。その金額と時期をあらかじめ質問しておく。

 

今回はここまでとします。
次回以降は、費用の分解を紹介していこうと思います。その後で実際に計算していきます。

ご覧いただきありがとうございました。

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