経営コンサルタントの仕事|外部環境分析|市場・競合分析

コンサルの現場から

こんにちは、ヒロキです。

今回のテーマは、事業計画策定のための「外部環境分析②」ということで、前回の続きです。外部環境分析の概要については前回の記事をご参考いただきますと幸いです。
今回は、外部環境分析の具体的なアウトプットを表を使用して紹介します。最終的にはパワーポイントでレポートを作成してお客様へ説明することになるのでその作成方法をご紹介します。

市場分析のアウトプット

上のグラフは日本の人口推移を表しています。2010年から2017年が実績で2018年以降が予測となっており、CAGRは年平均成長率を表しています。2010年から2017年までは年平均0.2%で減少し、2018年以降は0.3%で減少する予測となり減少が加速します。
ここで、分析対象企業が小売業の場合、市場規模が人口減少に合わせて縮小していくはずです。

上のグラフは分析対象企業が属する業界の市場規模を表しています。人口と同じような推移をしており、人口減少が市場の縮小原因のように思われます。今回はこれをさらに数量と売上単価に分解して、減少の原因を探ってみます。


数量の減少は2018年までが1%、それ以降が1.3%と人口の減少以上に減少しており、売れなくなっている、という印象を受けます。一方で、売上単価は2018までが0.7%の増加、それ以降は0.8%の増加予想と、値上げが行われていることが分かります。毎年少しずつ値上げをして売上減少を食い止めようとしているという状態でしょうか。しかし、市場全体が縮小していく中で値上げには限界があります。こういう業界は生き残りをかけて再編が起こりやすく、M&Aによる業界内の統合や、日本市場をあきらめて海外市場で戦うための海外企業の買収ですね。M&Aの提案とセットになってくるのではないでしょうか。

競合分析のアウトプット

分析対象企業の競合他社をいくつかピックアップすると、どこが儲かっていてどこが儲かっていないのかが分かると思います。また、3年分ぐらいのデータを集めれば売上高が増減したときに利益がどう変化するのかといった事業の安定性が見えてきます。

上の表はAからEという同業界に属する会社の事業数(製品分野数・サービス数)、売上高、利益率を2年分まとめたものです。業界としては不調であり2017年度2016年度にかけて軒並み売上高が減少しているのが分かります。2016年はすべての会社が黒字ですが、2017年はA,B,C社が赤字、D,E社が黒字を確保しています。この違いはどこにあるのでしょうか。

上のグラフは縦軸が事業(製品分野・サービス)の数、横軸が利益率、円の大きさが売上高を表すバブル図です。A社は売り上げ規模は小さいですが利益率の高い商売をしており、1分野に特化しています。一方、E社は8種類の事業を営んでおり、売上規模が大きく業界ではトップクラスの会社のようです。その他、A社とE社の中間に位置する会社がB,C,D社です。

A社は1事業に特化している分、効率的に人材やコストを使用し高利益率を確保できますが、外部環境の悪化により売上が減少すると他の事業でカバーできないので一気に採算が悪化します。他方、E社は8種類の事業を営むため、毎年好調な事業もあれば不調な事業もあり、大きな利益率は期待できないようです。しかし外部環境の影響を受けにくく、売上が多少減少しても利益率はそれほど低下しません。

事業計画とのつながり

事業計画を策定するうえでは、このまま何もしなければ将来の売上が減少していくことが予想されます。そのため他の事業へ進出することが基本的な流れになるのかなと思います。親会社が大企業で対象会社に資金力があればM&Aによる進出も可能でしょう。しかし、中小企業など、それができない会社となると、売り手として健全な会社に買ってもらうか、借金が多くて買い手がいない場合は、私的整理や法的整理といった再生へと舵を切ることも視野に入れなければなりません。ちなみに僕は再生分野が専門です。

今回は以上となります。
ご覧いただきありがとうございました。
(出典:国立社会保障・人口問題研究所総務省統計局

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